人気ブログランキング | 話題のタグを見る

古代メソポタミアのリラ(ライア)#7

さて、お預かりしている「Lyre of Ur」の復元品ですが、糸巻きをペグ方式に変更して、ペグの縛り方を色々テストしてみましたが
やっと、楽器として実用に耐えうる状態になりました。



ワックス・コードは、蝋質のおかげで巻き上げはスムーズですが、若干戻りがあります。
そのほかにも数種類の紐を試してみました。ナイロンひもは見てくれがいいし、紐の切り口はライターの火で炙ると綺麗に球ができてほつれなくなりますが、結びかたをいくつか試したのですが結び目が緩んできます。
結局、最終的に選んだのは「綿金剛打」という綿紐です。これは結び目がきっちり締まります。

そして一番効果があったのは、ネック(丸棒のバー)にペグを取り付ける箇所に、皮(1mm厚)を貼り付けることでした。
古代メソポタミアのリラ(ライア)#7_e0064847_21483049.jpg
この皮を貼った部分に、ペグの「抉り」のところが当たります。
古代メソポタミアのリラ(ライア)#7_e0064847_21500376.jpg
そして、紐の縛り方も最終的にこの方法にしました。
古代メソポタミアのリラ(ライア)#7_e0064847_21510005.jpg
チューニングは、ペグを握って回せますが、力の弱い女性の手だときついかもしれません。
ぺぐには、ペグ回し工具(自作・・・といってもドライバをちょっと加工したもの)が通せる4mmの穴を開けているので、この工具で楽にチューニングできます。
古代メソポタミアのリラ(ライア)#7_e0064847_21560160.jpg
今回使用した弦は、釣り糸の大物釣り専用 「シーガー プレミアム万鮪」というのを
ゲージが0.60mmから1.36mmまでの各ピッチに割り当てるため9種類買いました。
大物釣り専用のフロロカーボン製なので、切れることはまずないでしょうし、何しろ30m巻きなので、気兼ねなく試せます。
リュートやバロックギターの弦に、この釣り糸を流用することも多いようです。
でも、これら一式で3万円ほどかかりましたが、今後も色んな自作の撥弦楽器類にも使っていけます。


by cicci2cicci | 2017-10-13 21:58 | ☆Sumerian Lyre | Comments(0)

庵月工房の日々、音楽、楽器のことなど・・・


by cicci2cicci