
ポルタティーフ・オルガンについて調べていて、象牙の鍵盤に彫刻してあるのを見つけ、これがengraving の技法で彫られたということが判りました。
(engraving;彫刻凹版技法のこと。インタリオ(凹版)技法における直接法の一種。ビュラン(burin)と呼ばれる鋭利な刃物で金属面に直接彫りつけて刻線をつくり、その溝にインクを詰めてプレス機で印刷する。版材は、彫刻に適した硬度と柔軟さを併せもつ銅板がもっとも広く用いられる。金属版に線描を施す手法は他にドライポイントやエッチングがあるが、ビュランによる線描は、ドライポイントのような刻線の縁のまくれや、エッチングのような腐蝕によるくずれが生じず、非常に硬質でシャープな線描が得られる。ビュランの扱いに熟練すれば1mm幅の中に何本もの線を彫るようなことも可能である。年代のはっきりしているエングレーヴィングによる版画としては、1446年にオランダで制作された宗教画が現存しており、15世紀前半には版画技法として確立していた。きわめて精密な線描が可能な一方、人の手による彫刻であるため機械的均質さから免れ、偽造防止の効果があるので、商業印刷の世界では今でも紙幣や証券の細紋の印刷に広く用いられている。)
(参照)
http://www.dnp.co.jp/artscape/reference/artwords/u_z/wood_engraving.html
さらに wood_engraving;「木材を輪切りにしてその木口を版面として用いるる。版材には黄楊や椿など年輪の密度が高く硬い木質が使われ、これに銅版のエングレーヴィング技法と同じビュランで彫版する。木材の輪切りを用いる制約上、大きなサイズの版材は入手しにくいものの、銅版画に匹敵するほど細密な描写が可能なため、もともとは活字と組み合わせて、活版印刷の挿絵図版に利用された。」 とあります。

(History of Wood-engraving)より
http://www.library.unt.edu/rarebooks/exhibits/woodengr/history.htm
そして、このWood-engravingの技法書が見つかりました。
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【Hand-Book of Wood Engraving】
Author: Emerson, William A.
Published: Boston; Lee and Shepard Publishers, 1881
Description: 101 pp., 3.6 MB
Subject: Wood Engraving -- History and Technique
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この本が丸ごとPDFになっています。
刀の仕立て方から丁寧に説明しています。
下記のページからダウンロードできます。
http://www.shipbrook.com/jeff/bookshelf/
ここには、他にイギリスの15世紀から19世紀のオリジナルの書籍(デザイン、刺繍、楽譜、小咄、カリグラフィ、などなど)があります。
これを観るまでは私は大きな勘違いをしていました。当時の細密画はほとんど銅板エッチングと思っていたのですが、じつはこのWood-engravingによるものが多いんですね。
上の鳥の絵を見ると、とても木版には思えませんから・・・