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薪を切りながら・・・・・

薪を切りながら・・・・・_e0064847_176625.jpg薪を切りながらふと思い出した古〜い映画。女優さんはヘプバーン(違っているかも)だったような、男優はケーリー・グラントだったかもしれません。先祖の古い屋敷を相続した、美貌の女相続人。その古いヴィクトリア風のお屋敷で寒い一夜を過ごすのに、暖炉にくべる薪がまったくないんです。なんせ長いこと使われていなかったお屋敷なので。そこで彼女はチッペンデールとかヘッペルホワイトの椅子を、薪にするために、大理石の床に叩きつけて壊し始めるんです。するとそれを見ていたケーリー・グラントは「ワ〜オ、その椅子はチッペンデールじゃないか、相当な値が付くぞ」というと、ヘプバーンは「ここで凍え死ぬのがお望みなの?」とかなんとか言うんです。映画のタイトルは思い出せません。

背に腹は代えられない、ということでもう一つ。
かつてバロック時代、ロシア帝国(ロマノフからピョートル1世あたり)は、ヨーロッパから膨大な数の、あらゆる楽器を持ち込みました。そして、多くの献上品にも、当時の名器も数多く含まれていたはずです。ところが、それらの楽器は殆ど残されていません。さて、その楽器たちは何処へ行ってしまったのでしょう。
そうなんです。上述のヘプバーンのように、暖を取るために、すべてが薪になってしまったのです。
当時の記述に「黒檀のフルートは火力も強く、火持ちが良い・・・」とかあるそうです。
ヴァイオリンなんてあっという間に燃えてしまったでしょう。チェンバロは壊すにはちょっと大変ですが、やはり凍え死ぬ訳にはいきませんから、それはそれは切実だった事でしょう。
多くの絵画は残されたのに、楽器にとっては本当に不運でしたね。
もし、ロシアが温暖な地だったら、多くの貴重な楽器が残され、世界最大級の楽器博物館があったことでしょう。
Commented by momogumi5255 at 2006-06-25 01:33
チッチの父さまの創った楽器は後世残って欲しいです。
こんなにきめ細かく制作しているんですものね。
絵もそうだけど残せる仕事って素晴らしいと思います。
Commented by meron33ninja at 2006-06-26 00:08
わ~フルート燃やしちゃうなんて許せな~い!
↑の写真イイですね~!
洋画の一コマみたいですね~!
Commented by シマッチ at 2006-06-26 11:29 x
背に腹は代えられないって、ホントにそうですね。
以前NHKの番組で、ロシアでは食道ガンでの死亡率がダントツだ、といのをやってました。理由は、食道が焼けるほど強いアルコールを長期間摂取するから、ということですが、寒さに耐えきれずアルコールを含むものは片っ端からなんでも飲んじゃうそうです。薬用アルコールのストレートなんてまだましな方で、整髪料や奥さんのオーデコロンまでいっちゃうそうです。
ですから、薪にする楽器が手元にあったら、そうせざるを得なかったんでしょう。黄金や大理石の彫刻じゃ燃えませんものね・・・
Commented by sirenejp at 2006-06-28 00:08
>「黒檀のフルートは火力も強く、火持ちが良い・・・」
がーん!そうなんだ...。
私、最近黒檀のピッコロを買ったんですが、あれも燃えるのね(TT)。
この写真のチッチちゃん、すごくステキ。
Commented by チッチの父 at 2006-06-29 21:22 x
>桃組さま
外回りの絵の下書きを検討しようと思っています。
その時は下絵を見て頂けたら嬉しいです。
Commented by チッチの父 at 2006-06-29 21:24 x
>meron33ninjaさま
時代の皮肉でしょうね。
↑のチッチの写真は自分でも気に入っています。
Commented by チッチの父 at 2006-06-29 22:00 x
>sirenejp さま
先週の土曜日、木管の集まりに、ホルンの方が始めて参加してくださいました。Fl,Ob,Cla,Hrn,Fgで五重奏をしましたよ。とても楽しかったです。
今後、Danzi、Haydnなどもやってみたいです。
チッチの写真、なかなかいいでしょう!
by cicci2cicci | 2006-06-24 17:06 | 楽器関連 | Comments(7)

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