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フレンチ・チェンバロ

フレンチ・チェンバロ_e0064847_20425946.jpgこの楽器は
A.M氏が十数年前、フランスで購入した、17世紀のオリジナルです。現状ではとても演奏できる状態ではなかったので、楽器本体は堀栄蔵氏(2005年6月夭折)が大修理を行いました。カブリオル・スタンドも、とても楽器を支えられる状態にありませんでしたので、私の工房で新規製作となりました。楽器本体の修理も困難を極めたようでした。装飾画は、数多くの楽器を手がけられた高倉さんの担当となりましたが、これがまた大変な作業で、絵が二重に描かれていた(当時は珍しくなく、所有者が変わったりすると、古い絵の上に、また新たに描かせた)ので、A.M氏の希望で、表面の絵を洗い流して、原初に戻すことになったのです。もちろんのこと、表面を洗ったからといって、元の絵が100%現れてくる訳ではないので、相当な作業だったようです。スタンドは新規に作りましたので、ここの部分は、新たに描いたのです。当時、堀さんに、「この楽器は、なんだかんだトータルで数千万するんだぞ」と言われていたんですが、楽器本体の修復後、うちの、鍵もかからない工房に1ヶ月くらい預かっていました。今思うに、万が一、盗難とか事故にあったら、どうなっていたんでしょう、ぞっとします。楽器の歪みがすごかったので、ボトム合わせに手こずりました。・・・・この楽器は修復後、数多くのレコーディング、コンサートで使われました。
Commented by Renee at 2005-11-11 22:42 x
はじめまして!綺麗なcembの画像に惹かれてやって来ました。
フレンチは1段鍵盤が多いように思うのですが、この楽器もそうでしょうか?(私が間違ってるかな?)笑
Commented by チッチの父 at 2005-11-11 22:56 x
Reneeさま。コメント有り難うございます。鍵盤側からの写真があいにくなかったのですが、勿論2段鍵盤です。
Commented by Renee at 2005-11-11 23:43 x
早速のお返事ありがとうございます!うわ~2段ですか!
いいですね!!やっぱりcembは2段がいいですわ。
チッチの父さんの工房には博物館クラスの楽器が一杯あるんですね。
と~~っても羨ましいです!!
Commented by keiyou-ai at 2005-11-12 14:12 x
こんにちは、本当に綺麗なチェンバロですね。昔の人達は、音楽も絵も融合させて、しかも日常の生活に活かすという美意識が、とても高かったのではと…。美しく修復されたチェンバロの音はどんな音色なのかしらと想像しております。それにしても、修復のお仕事は、たいへんでございますね。それだけに、やりがいの有るお仕事なのではと…。うらやましい限りです。
Commented by micoblog at 2005-12-08 11:03
チッチちゃんのお父さんは、素敵なお仕事をなさっているのですね~♪
すっかりこちらで目の保養をさせて頂きました。

実際にこのようなチェンバロを見たことが無い私には、まるで旧き良きヨーロッパの音楽の歴史にタイムスリップしたようで・・・感激致しました。
芸術性の高い逸品ですね!
Commented by nytimes at 2006-02-07 12:03 x
(おじゃましてます。まずはコンサートのご成功おめでとうございます。あまり気の利いたことは言えませんので、こちらを拝見してました。)ところで上のピアノですが、原作者もまさか、400年後に日本にあるとは想像しなかったでしょうね。映画の「レッドバイオリン」は確かイタリアから海を渡って中国にたどり着いたんでしたね。ちょっとあれを思い出してしまいました。
by cicci2cicci | 2005-11-11 21:09 | 楽器関連 | Comments(6)

庵月工房の日々、音楽、楽器のことなど・・・


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